6月は、76年前にマグニチュード7を超える福井地震が発生した月です。いつ起こるかわからない地震に備えてもらおうと、福井市内の小学校で7日、事前告知なしの避難訓練と防災教室が行われました。
福井市の社北小学校では、7日朝、通常通りに学年をまたいだ遊びの時間を過ごしていました。
その時ー
「緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください」というアナウンスが校内に流れます。児童たちには事前には知らされていない防災訓練が始まったのです。
先生の「みんなしゃがんで。頭守って」という声に、児童たちは「こわいよう」などと身を守る体制を取りました。
続いてサイレンが鳴る中「緊急連絡。給食室から火が出ました、児童のみなさんは先生の指示に従って校庭に避難しなさい」というアナウンスが流れ、6年生が低学年の面倒を見ながら避難場所まで誘導しました。
この後、児童らは教室に戻り行動を振り返っていました。
避難訓練に加えて開かれたのは防災教室です。学校防災アドバイザーとPTAも連携し
授業の中に組み込む形で今回初めて実施されました。
低学年の児童に対し、防災士の松井峰晴さんは、緊急地震速報の音が鳴ってから平均で8~10秒後に地震が起きることから、8秒間を目安に安全な場所に移動する方法をわかりやすく伝えました。
防災士の松井さん:
「揺れるまでの8秒で、うさぎ、ねずみ、かめになってもらいます。身を低くして後や前を見て安全な場所を探すためにうさぎのポーズになる」
身をかがめてねずみのように素早く安全な場所に移動し、手で頭を守りカメのように丸くなることを表しています。
一方、高学年は避難所づくりに挑戦しました。段ボールでパーティションを作ったり、簡易ベッドを組み立てるなど、自分たちで協力しあって教室内にプライベート空間を設置しました。
6 年生たちは「説明書を見るのが得意なので難しさは感じなかった」「災害が起きたときに自分が少しでも役に立てるかと思った」などと話していました。
そして、火災発生時に欠かせないのが初期消火です。高学年はクラスごとに分かれてバケツリレーに挑みました。
訓練の後、ある6年生は「校長先生が言っていたように、本番は訓練、訓練は本番と思って、火災や地震が起きたときは、冷静に判断して低学年をリードしてあげたい」と力強く話しました。教頭は「何が起きるかわからないという想定でやったことで見つかるものがたくさんあった。これから課題を出して次に備えたい」と今回の訓練への手ごたえを感じていました。
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