少子高齢化が加速していく中、高齢者が「自分らしく生きる」生活を支える病院を取材した。

東京・板橋区にあるカフェ。
開放感のある空間でくつろぐ人たちの隣にあるのは、リハビリスペース。
ここは、「おうちにかえろう。病院」という名前の病院だ。

120床すべてが地域包括ケア病棟であるこの病院では、集中的な治療を終えた患者や在宅療養の患者に元の生活に戻るための治療と支援を行っている。

作業療法士・日下大輔さん:
手はね、右手が前の方がいいですよ
井ノ口磯子さん:
こんな前?
作業療法士・日下大輔さん:
こんな前!
井ノ口磯子さん:
落っこちちゃいそう

この病院の特徴は、施設ごとの境界をなくした“曖昧”なデザイン。

一般の人も利用できるオープンなスペースでは、病院の外の生活を意識してもらい、患者の気分を変えながらリハビリを行うことができる。

また、医師や看護師は白衣を着用せず、ナースステーションだった空間を患者にも開放することで、コミュニケーションを取りやすい工夫をしている。

看護師になって7年目の稲葉夏紀さんは、病気や障害と向き合いながら生活している人達に寄り添いたいと、大学病院からここに移った。

看護師・稲葉夏紀さん:
その人がどんなスタイルで生活をしてきて、どういった形で帰るのがベストなのか、そこは意識しながらやっています

2023年の出生率が8年連続で過去最低となり、2025年には団塊の世代が後期高齢者となる「超高齢社会」の日本では、病院と地域のつながりがより大切になるという。

水野慎大病院長は、「(病院側も)もっと地域にしみ出していって外とのコミュニケーション量を増やしていくことによって、高齢化社会、そことの向き合いの中での1つの病院の役割として明示できるような形になっていけばいいなと」と話す。

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