円安などの影響で、肉の値上げが続くいわゆる「ミートショック」。
豚肉の価格高騰は深刻化していて、私たちの暮らしにも大きな影響が出ています。
ボリュームのあるサクサクジューシーなトンカツが人気の「とんかつ大将」。
店で人気の日替わり定食は、とんかつに白身フライとイカフライで900円です。
メインで使用しているのは輸入のロース肉。
多い日で1日80キロを消費するといいますが、この豚肉の価格がいま高騰しています。
◆とんかつ大将・筑紫通り店 本田信雅店長
「最近は7月に入って1キロあたり150円上がった。まぁまぁこたえました。肉屋に卸す大元から買っているので普通よりは安く買えるけど、それでもまだ上がるって言っているのでちょっと怖い」
この店では今年5月、ロース肉の仕入れ価格が1キロ250円値上がり、さらに22日の週には150円値上がりし、わずか3カ月ほどで1キロあたり400円も仕入れ価格が上がりました。
また、とんかつに欠かせないコメも2カ月で10キロあたり800円も値上がりしたといいます。
◆とんかつ大将・筑紫通り店 本田信雅店長
「苦しい。下がったものがないから」
店では5月に1度販売価格を40円から50円値上げしましたが、今後の価格転嫁には頭を悩ませています。
◆とんかつ大将・筑紫通り店 本田信雅店長
「(価格を)上げたらすぐそれ以上に(仕入れ価格が)値上がっての繰り返しで、いつ値段を触っていいのか分からない状態になっているので、これ以上は待機するしかないのかな。しょうがないのもあるけどちょっと怖い。先が見えないので」
先の見えない豚肉の高騰。
スーパーを訪れてみるとー。
◆記者リポート
「こちらにはずらっと豚肉が並んでいますが、例えば国産のロースは、100グラム248円となっています」
こちらの豚ロースは4月までは100グラム198円でしたが、5月に入り50円値上げ。
そのほか国産の豚モモ肉とバラ肉も30円から50円値上げしたということです。
◆価格高騰の原因は…
◆エムズ美和台店 久松浩一店長
「こんなに値上がりしたことはなくて。飼料や原油価格の高騰などあるが、為替の動きが大きな要因。輸入豚が値上がりし、それに伴って国産豚の需要が広がって値上がり」
もともと高い牛肉に比べ比較的に安いため、家庭でも食べることが多い豚肉。
その価格の高騰に店の利用客はー。
◆買い物客(70代)
「大変やりにくいけど、でも買わないわけにはいかんしね。(豚肉を)半分くらいに抑えて、野菜を多くするとか違うもので節約する」
◆買い物客(10代)
「来年一人暮らしを考えているので、いかに食費を抑えれるかが重要。早く安くなってほしい」
店によると仕入れ値は5月に1.5倍に上がってから高止まりの状況が続いているということで、国産の豚肉に比べて安価な輸入品を増やすなどして対応していきたいとしています。
◆豚バラ肉も高騰 今後の見通しは…
家庭でよく使う豚バラ肉はアメリカ産の卸売り価格がコロナ前の2019年が1キロ735円。
これが6月は1キロ1067円とほぼ1.5倍となり、過去20年間で最も高い価格となりました。
輸入肉がこれだけ高いので「国産を買おう」という切り替えの動きが進んでいますが、国産の豚バラ肉も高騰しており、6月の卸売り価格はコロナ前のほぼ1.3倍、1キロ1226円まで上がっています。
豚肉価格の今後の見通しですが、市場の関係者によると「今年の秋口から国産の豚が大量に市場に出回る見込みで、10月以降に国産豚の相場が例年並みに落ち着く可能性が高い」ということです。
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