『#ハッシュタグストーリー』麻布競馬場・柿原朋哉・カツセマサヒコ・木爾チレン著(双葉社・1650円)
炎上やフェイクニュース、ネガティブな話はもう飽きた―。このアンソロジーを企画したきっかけは、そんな思いでした。
近年、SNSをテーマにしたミステリーがヒットしています。匿名性が高く、虚実入り交ざるSNSは小説のギミック(仕掛け)に使いやすいのでしょう。でも、あまりいい話が語られていない。どうせ読むなら、SNSに対して前向きになれる話が私は読みたかったのです。テーマは「ちょっといい話」で決まり、執筆陣も最高のメンバーがそろいました。
インターネット上で超有名な一枚の写真の裏側に少女の青春の葛藤があったり、新旧世代のヲタクのもやもやから素敵な交流が生まれたり、広大なネットの世界でほっこりする物語となっています。
また、高校時代に文化祭で盛り上がった「ひと言」が時を超えて救いになり、元カレが突然つけた「いいね」によって昔の大恋愛を思い出すなど、心に刺さる一編がきっと見つかります。(双葉社文芸第一出版部 森広太)
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