岩手県滝沢市にある餅菓子専門店「やま彩」では、手づくりの大福やだんごが味わえる。

朝7時、早朝の厨房ではおいしそうな餅が次々とでき上がっていく。
店主の山井緩美さんは「今日は午前2時にスタートした。今はお盆期間でいつもより2時間早めて作業を始めていた」と話す。

滝沢市に2023年8月、オープンした「やま彩」。
カフェのようなオシャレな店内には、10種類ほどの餅や団子などが並ぶ。

そんな「やま彩」の一番人気は黒豆が8粒入った豆大福だ。
店主の山井さんは「もち米をふかして、それを粉にせず、ついて餅にしたので、歯切れの良さと弾力・モチモチ感が売りだ」と話す。

八幡平市産の黒豆が8粒入った「八豆大福」。
たっぷりのあんは、十勝産の小豆を毎朝5時間かけて炊き上げ、程よい甘さに仕上げている。

さらに大福と併せて人気なのが「みたらし団子」で丁寧に焼き上げ、特製のみたらしをふんだんに使っている。

店主の山井さんは「団子も全部『うるち米』をふかしてそのまま餅つき機でついている。歯切れがとてもいいし、それでもモチモチした感じになっている」と話す。

また、タレは昆布だしでとっていて、ご飯に近い感じでお餅を食べてほしいので少し甘さは控えめにしている。

餅などを通して季節の彩りを提供したいという山井さんは、店名の「やま彩」も、そんな思いから名付けた。

店主 山井緩美さん
「義理の母の実家がお餅屋さんで、滝沢ではお餅屋さんがなかったので、それで私がお餅屋さんをやりたいと思いました」

義母 山井順子さん
「(もち米を)ふかして作って、ついてるのでどこにも負けないかなと。この人も一年一生懸命(実家に)通って教わってきたので」

「白きりせんしょ」もまた、義理の母・順子さんの実家が営む餅店で教わった一品。
中に黒蜜とくるみが入ったタイプの「きりせんしょ」で、口いっぱいに素朴な甘みが広がる。

取材したこの日は、オープンしてから1年の記念日。そのため、店はたくさんのお客さんで賑わっていた。

来店客
「(餅店が)近所にないので気軽に買えるしうれしいです」
「(子供が)お餅大好きなので、すごく通っていました」

餅や団子が人気の「やま彩」だが、ご飯ものも絶品で豆おふかしは、ほのかな甘さが特徴だ。
豆おふかしを作るきっかけは、友人のお母さんが『甘いのを作って売ってちょうだい』という要望からだったという。

店主 山井緩美さん
「(甘みは)豆からも出てると思うし、たれにも多少砂糖が入っている。味見も家族でしかできないので何回か作ってみて『これでいいね』となってから提供する」
「お茶を飲むスペースもちょっと増やして、ここに集まって顔をみせてもらう。そういうのがいいかなと思っている」

愛情が包み込まれた手づくりの品々。
ホッと心が落ち着く甘さが、食べる人を笑顔にしてくれる。

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