止まらない“豚肉の価格高騰” 食卓や企業も直撃… 高騰の原因とは? 値上げに終わりは見えるのか?
食料品の値上げが相次いでいますが、豚肉も価格の高騰が止まりません。
食卓や飲食店、企業も直撃している豚肉の高値。
終わりは見えてくるのでしょうか。
価格高騰が豚丼にも影響
秘伝のタレで香ばしく焼いた豚肉。
帯広を代表する名物グルメ・豚丼です。
「丼からはみ出るほどたっぷりの豚肉。甘辛い香りが食欲をそそります」(田中うた乃記者)
「ぶた野家」ではタレにつけた豚肉に、また違うタレをかけて焼き上げていきます。
人気は北海道産の豚肉を使った「特上バラ豚丼」。
「とてもジューシーでタレがおいしく、ご飯が何杯でも食べられそうです」(田中記者)
店をオープンして3年。
経営は順調でしたが、店主の西本孝二さんは悩んでいました。
「結構前から(豚肉の価格が)1.6倍、1.7倍近く上がっている」(ぶた野家 西本孝二さん)
西本さんは道外産の豚肉も使いつつ、これまで値上げをしないできました。
しかし、価格の維持はもう限界に来ているといいます。
「もう少し我慢はしたいが背に腹は代えられないので、お客さんには申し訳ないが(価格を)上げざるを得ない状況がくる」(西本さん)
豚肉の価格高騰…。
「2、3日に1回(豚肉を)食べていたが、週に1回か2回くらいに減っている」(買い物客の男性)
食卓を直撃しています。
過去にない高値が食卓を直撃
豚肉の価格が高い!
札幌市豊平区のスーパー「ダイイチ」は本社が帯広市で、十勝産の豚肉を多く扱っていますが、この道20年の担当者は過去にない高値だと話します。
「(豚肉の)相場がかなり高くなっているので、2割から3割程度、仕入れ原価は上がっている。私が入社してからはこれだけの高値はない」(ダイイチ 畜産課 二瓶靖聡さん)
「大変です、年金生活なので」(買い物客の女性)
「今まで2、3日に1回食べていたのが、週に1回か2回くらいまで減っている」(買い物客の男性)
買いやすい値段に抑えるために少ない量のパックを用意することにしました。
仕入れ先に協力してもらい、週末には国産豚肉の特売を行っています。
「安い日には客に還元できるように薄利で(豚肉を)販売する」(二瓶さん)
豚肉の価格は1キロ500円前後で推移してきましたが、2022年7月に600円を突破。2024年7月、初めて700円を超えました。
価格高騰の原因と対応策
原因の一つは2023年の猛暑。
豚は暑さに弱いため生育が遅れ、出荷できる頭数が減りました。
次に栃木や岩手などで2024年、豚熱が発生したこと。
そして円安により輸入豚肉の価格が高騰したことなどです。
セイコーマートは7月、かつ丼やカツカレーなどを値上げしました。
ハム・ソーセージなどを販売する食肉加工メーカーは4月に続き、9月以降の値上げも発表しています。
食肉加工・販売の「トンデンファーム」は江別市の直売所で月1回、通常より2割ほど安い特売の日を設けていて、毎回大型バスでツアー客も訪れています。
「きょうはこれくらい買いました。豚肉ばかり買いました」(買い物客の女性)
「これからキャンプに行くので、キャンプ用の肉を仕入れに来た」(買い物客の男性)
この会社でも価格を同じにするために内容量を減らさざるを得ませんでした。
「内容量を申し訳ないが減らして、味をしっかり保ってやっている。今、高騰しているが、値段が安くなることはないと思う。それに合わせて、企業としてどういった対策、準備をしていくかが大事」(トンデンファーム 宮崎敏弘社長)
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