米不足の中、待望の新米の季節が到来した。ところが品薄は今も続いていて“令和の米騒動”は収まる気配はない。それどころか余波はせんべいにまで及んでいた。

5キロ3150円は手が出せず「お餅を買いました」

取材班は東京都内のスーパーに向かった。

東京・墨田区のスーパーイズミ業平店 5日午後2時ごろ
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この店では、前日4日には33袋が残っていたが、5日午後3時半過ぎに取材すると、残りが12袋となっていた。1日で半分以上がなくなっていたことになる。

米を買い求めた女性客は「ちょうど売っていたので、タイミング逃したらもう買えないと思ったので買わせていただきました。一週間ぐらいぶりだったかもしれない。本当に助かりました。一週間ぶりに炊いたご飯を食べようかなと思っています」と嬉しそうだった。

さらに、値段も上昇。 茨城県産のコシヒカリ5キロは2023年は2500円だったが、2024年は約1.5倍の3800円ほどにアップしている。

買い物に来た客の中には「コシヒカリ5キロ3150円は手が出せない。昨日お餅を買いました。今日はちょっと買わないで、目をつぶって帰ります」という人もいた。

米の争奪戦はネット上でも繰り広げられている。

生活協同組合ユーコープは、米の在庫が不足してきたため、ネット注文などを全て抽選にしているといい、SNSでは「コープのお米抽選 また落選」「抽選に落ちたのでいよいよ米がヤバい」「米の当選通知がコンサートのチケット抽選ぐらい心が沸いた」と一喜一憂する声が見られた。

“令和の米騒動”の余波はせんべいにも

さらに、“令和の米騒動”の余波はついにせんべいにも到来した。

醤油が焼ける香ばしい香りが漂う、埼玉・草加市にある老舗煎餅店「豊田屋」では、米不足の影響で、せんべいの原材料となる米が高騰することで、値上げも検討しているという。

米不足の影響で秋以降の仕入れ値が3割以上上がるため、値上げを検討しているという。

豊田屋 豊田重治社長:
今までも上がっていたけど、そんなに上がったことは初めてですね。かなり厳しいね、ずっと赤字だからね。

せんべいを愛してやまない草加市民は「上がる!?う~~」「せいべいの値段も上がりますね」「困ります」と値上げの話に驚きを隠せず困惑していた。

米が不足していても、備蓄米を放出しない考えを貫く政府に、せんべい店の社長からは「普通に考えればね、備蓄米っていうんだから、(米が)ないときに出すのが備蓄だと思うんだけど。(政府は)頭の中が我々とはちょっと違うって感じだね」という言葉が聞かれた。
(「イット!」 9月5日放送より)

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