ここ数週間、コメの品薄状況が続いたまさに令和のコメ騒動。
それに、ピリオドが?
今週から徐々に北海道産の新米が入荷!
北海道米の長い道のり
「きょう、張り切ってオープンの10時めがけて来た」
「やっと安心できますね」
手に入りにくくなって知るコメのありがたさ。
しかし、北海道米が認知されるまでには果てしなく長い道のりが。
「おいしくないから北海道をもじった『やっかいどう米』ですとか」
「やっかいどう米?」
ひと昔前は、おいしくない「やっかいどう米」などと揶揄されていた北海道米。
なぜ、ここまでおいしくなったのか?そして、ブランド米の特徴と料理の相性も。
9月19日は令和のコメ騒動で再注目。
北海道米のすごさを追跡します。
というわけで、まずは新米の出荷状況を調べてみました。
新米の入荷時期と人気の高まり
札幌市内のコメ専門店を訪ねると。
「ありましたよ。北海道産の新米、並んでいます。『ゆめぴりか』、『ななつぼし』、『おぼろづき』、もう、新米入っていますね。いつ、入荷した?」
「きょう(9月17日)の午前中ですね。出来は非常にいいと聞いております。北海道産の新米がないとがっかりして帰るお客もかなりいたので、きょう、こうやって入荷して喜んで買っていただいている」
気になるのは値段ですが、例年と比べ1キロ200円ほど高くなっている品種もあるとのこと。でも、北海道米は大人気!
北海道米のファンは増加中
「何の新米を買った?」
「ゆめぴりか」
「北海道米を食べ始めたのはいつごろ?」
「十数年前とか…。おいしいのかな、どうなのかなと半信半疑で買いだしたら、全然いけるなと思って。それからはずっと北海道米を食べている」
実は30年前の調査では、北海道米を食べている北海道民は37パーセント。
あまり食べられていませんでした。
北海道米の歴史を知るべくやってきたのは「北海道米販売拡大委員会」。
「北海道米の始まりは?」
「江戸時代、1692年に渡島地方、今でいう北斗市で作られたのが最初と言われている」
その後、明治時代に「北海道の稲作の父」と呼ばれる中山久蔵が「赤毛」という品種でコメ作りに成功。
品種開発と「きらら397」の誕生
しかし、寒くて栽培に適していなかった北海道で作ったコメの味は。
「おいしくないから、北海道をもじった『やっかいどう米』。流通の関係者や消費者からも量はあるけどおいしくない、やっかいだと…」
「そんなこと言われていたなんて、ちょっとショックなんですけど」
おいしい北海道米を目指して品種開発やPR活動を積極的に行い、1988年には北海道米のイメージを一新した「きらら397」が誕生。
名前の由来は。
「一般公募したらでてきた結果が『きらら』だった。『上育397号』がこの品種の名称だった。ごろがいいので残して、『きらら397』になった」
2001年には冷めてもおいしい「ななつぼし」が誕生。
その2年後には、本州に近い環境の北海道南部での栽培に適した「ふっくりんこ」が誕生。
北海道米のPR活動と消費拡大
PR活動では。
「(高橋はるみ知事米チェン)」
当時の高橋はるみ知事がCMに出演。
「米チェン」をテーマに北海道米の消費拡大を呼びかけました。
2008年には北海道米を代表する「ゆめぴりか」が誕生。
その特徴は?
「コメに含まれるタンパク質含量。昔の『やっかいどう米』と言われていた北海道米は、それがすごく高くてぼそぼそしていたけど、『ゆめぴりか』はそれが低い。基準をクリアしたものだけにマークがついている。マークがついているものは、生産者お墨付き。イメージとしては夕張メロン。メロンに認定シールが張っていて、そういうイメージでコメでも」
マツコさんのCM効果で一躍有名に
農家をはじめ地域が一丸となり、続々高品質の北海道米が誕生。
さらに、人気を後押ししたのが。
「マツコさん効果も、もちろんあると思います。その年本当に『ななつぼし』が売れていなくてヒーヒー言っていたんですけど、CMでマツコさんを起用してガラッと」
一躍有名になった「ななつぼし」。
CM誕生のきっかけはひょんなことからでした。
「たまたまホクレンの当時の担当が深夜番組を見ていたらマツコさんが出ていて、たまたま『ななつぼし』を食べた時に『今まで食べたコメの中で一番うまい』とテレビで言っているのを見て、その翌日に担当がオファーした」
「すごい感謝ですよね、今となっては。すぐにオファーするという」
マツコさん効果てきめんで、「ななつぼし」は現在、全国の小売店で一番売られている品種にまで成長。
品質でも「ななつぼし」と「ゆめぴりか」は、日本穀物検定協会の食味ランキングでともに最高位の特Aを連続で獲得。
さらに…。
「北海道米をどれだけ食べているか北海道内での食べている率。平成8年(1996年)、北海道民の37パーセントしか食べていなかったのが、令和5年(2023年)では88パーセントということでずっと高い率で食べてもらっている。つい30年前では、それが当たり前じゃなかった。これは農家の方々の努力の賜物。」
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