東京都内のクリニックを訪れていた2歳の女の子に診断されたのは、マイコプラズマ肺炎。
発熱や激しいせきが長く続き、子どもに感染することが多いマイコプラズマ肺炎の患者が今、急増しています。
東京都によると、9月22日までの1週間に報告された患者数は1医療機関あたり2.80人で、統計が開始された1999年以降過去最高を更新しました。
感染は、どれだけ広がっているのでしょうか。
4日、東京・葛飾区の保育園を取材しました。
キャンディパーク保育園・福田美月さん:
ことしは複数人出てびっくりしてます。全園合わせて10人弱ぐらい出てます。
園児たちへの手洗い・うがいの徹底はもちろんのこと、子供たちが遊んでいる部屋に空気清浄機を置いたり窓の換気をするなどして感染症対策に取り組んでいます。
しかし、保育園からは「症状が出ていなくて、園に来たら夕方にぶり返して医者に診てもらったら『マイコプラズマ肺炎』だったという子がいた」という不安の声も出ています。
マイコプラズマ肺炎は、感染してから発症までの期間が長く感染に気づかないまま外出する人も多いことから“歩く肺炎”とも呼ばれています。
3日、東京・北区のクリニックでも、2歳の女の子がマイコプラズマ肺炎と診断されました。
母親は子どもの症状について「せき症状が出始めて(先月)26日くらいから(熱が)上がったり下がったり繰り返していた」と話します。
さらに、子どもだけでなく30代の男性も感染。
この日、マイコプラズマ肺炎を心配して来院した患者は30人ほどいたといいます。
いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
今、急激に増えたという感じがある。夏休みが明けて集団生活が再開した9月のタイミング。長引く暑さと寒暖差で、我々の免疫力が弱まってきている。
SNSでは、“みなしマイコ”といったワードも飛び交っていました。
病院で検査キットが不足していて、検査をせずに症状などから「みなし陽性」と診断されたという投稿です。
実際に、検査キットは不足しているのでしょうか。
伊藤院長は「検査キットは少し不足してきている。普段使っているものはなかなか入荷しないという状態」と話し、この病院では別の検査キットで対応しているといいますが、感染がさらに拡大すると底をつく可能性を危惧しています。
一方、“みなしマイコ”という言葉が出てきたことについて、「薬不足を呼び起こす可能性がある」と指摘しました。
拡大するマイコプラズマ肺炎は、新型コロナウイルスとはどう見分ければいいのでしょうか。
違いは、症状が出てから2~3日目以降でのどの痛みと熱が主体ならコロナの疑い。
高熱に加え、激しい乾いたせきが出て症状が悪化していったらマイコプラズマ肺炎の可能性が高いといいますが、いずれにせよ早めの診察が必要だといいます。
いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
うがい手洗いと、場面に応じたマスク。家庭内では歯磨きを一緒にするとか、飛沫(ひまつ)が飛ぶことは避けたほうがいい。
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