緊急性が認められない大病院への救急搬送を巡り、茨城県は11日の県議会保健福祉医療委員会で、搬送患者からの徴収額が1100~1万3200円の範囲になる方針を示した。「緊急性が低い症状」などをまとめた県民向けのリーフレットの素案も初めて示し、27日に配布する予定を明らかにした。
一般病床が200床以上ある大病院などに患者の集中を防ぐため、健康保険法に基づき、病院は紹介状を持たない初診患者から「選定療養費」として徴収できる。素案によると、県内では21病院が7700~1万3200円の範囲で、1病院で1100円を徴収するとしている。
また緊急性を評価する基準のうち、軽度の切り傷や擦り傷での救急車要請は「明らかに認められない症状」とした。「緊急性が低い症状」の中には37度4分以下の微熱や、風邪の症状のみの場合など、計10症状が該当する可能性があるという。
12月の運用開始を前に県議からは注文が相次いだ。「周知が1カ月間で間に合うのか」、「(リーフレットは)事前知識がない県民が見た時に意図が全然読み取れない」といった指摘も。緊急性が低い症状については「微熱や風邪症状は多岐にわたる疾患の初期症状ということが多い」と指摘し、再考するよう求めた。
県の担当者は「目的は有限である医療資源の確保。県議会で出た意見も踏まえて、12月の運用に間に合わせたい」と述べた。【川島一輝】
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