岩手県一関市が2024年8月から9月にかけて水道水の検査を行った結果、発がん性の可能性が指摘されている有機フッ素化合物の濃度が、市の基準値を上回ったことが分かりました。

一方で、健康に悪影響が生じない値として国が設定している基準値は下回っています。

一関市では、健康への影響が懸念されている有機フッ素化合物「PFOS」と「PFOA」の濃度を把握する検査を、2024年8月から9月にかけて実施しました。

この検査は国の指示を受けたもので、水道水に使う市内33か所すべての水源と、規模が大きい3つの浄水場から採取した水について行われましたが、このうち「川崎第一水源」では1リットル当たりのPFOSとPFOAの合算値が、市の基準値の「5ナノグラム」を上回る7ナノグラム検出されました。

また「川崎第一水源」を取り込んでいる「川崎浄水場」から給水している水道水も調べたところ、1リットルあたり6ナノグラムが検出されました。

この数字は、国が人の健康に悪影響が生じない暫定目標値として定めている「1リットルあたり50ナノグラム以下」は下回っています。

一関市によりますと、不測の事態に早めに対応できるよう、国の10分の1の基準値を定めていたということです。

川崎浄水場からの水道水は、市内の川崎町全域と東山町松川地蔵平の一部合わせて約3200人に供給されています。

市では「川崎第一水源」の近くに有機フッ素化合物を使う工場などはないことから、今後、発生源を調査するほか、これまで年1回だった水質検査を4回に増やすとしています。

また川崎浄水場では17日から「川崎第一水源」からの取水量を減らし、近くにある「川崎第二水源」からの取水量を増やすことで、有機フッ素化合物を基準値以下にするとしています。

このほか、有機フッ素化合物の除去に有効と言われている活性炭を、浄水場に取り入れることも検討しています。

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