10月18日は世界メノポーズデー=ゲッティ

 つらい更年期症状について誰かに相談したい、でも――。

 更年期への理解を深める18日の「世界メノポーズデー」を前に、民間企業が行った調査で、更年期症状で日常生活に支障を感じる女性の大半が、相談したいと思っているにもかかわらず、相談することに抵抗感を抱いていることが明らかになった。

 メノポーズは英語で「閉経」や「更年期」を意味する。国際閉経学会が1999年、更年期の健康に関する情報を世界に提供する日として毎年10月18日を「世界メノポーズデー」に定めた。

 女性の更年期は、閉経前後の約10年間を指し、急に顔が熱くなったり、汗が止まらなくなったりするホットフラッシュや動悸(どうき)のほか、不眠やイライラなど心身の不調を感じるケースが多い。

 調査を行ったのは、化粧品・健康食品の製造・販売を手がける「ファンケル」(横浜市)。9月20~24日、更年期症状がある全国の40~50代の女性400人を対象にインターネットで実施した。

 更年期によって「日常生活に支障がある」と回答した311人に、具体的につらいと感じることについて複数回答で尋ねたところ、①「いつまで続くのか不安になる」②「体だけでなく、心の不調もあることが理解されにくい」③「今までできたことができなくなった」――の順となった。

 日常生活に支障があると回答した人のうち、約9割がパートナーや友人などに相談したいと回答した一方で、約6割は実際に周囲の人に相談することに抵抗感があるとも回答した。

 同社が「出口が見えない不安や、心の不調といった目に見えない悩みについて、身近な人へ相談したいと思う人が多い」と推察する一方で、実際に相談することにはハードルがあることがうかがえた。

 「風邪やコロナなどと違い、症状の理解を得にくいから」(54歳)

 「人によって症状がさまざまだし、年をとったと思われたくないから」(49歳)

 「(相手が)経験していないことを言われても困るのではないかと不安」(42歳)

 といったことが、相談をためらう具体的な理由として挙げられた。

相談に乗りたい家族

 調査では、更年期世代の女性と同居する家族(10~50代の男女)600人にも尋ねた。

 「更年期について知っている」と回答した566人のうち、「妻や母親が更年期に悩んでいたらサポートしたい」との回答は83%(471人)に上った。

 相談したいのにためらう当事者と、積極的に相談に乗りたい家族との間で「ミスマッチ」が生じていることがうかがえた。

 調査を監修した産婦人科医の高尾美穂さんは「たくさんの変化が起こる更年期だからこそ、心身ともに無理なく過ごせるような環境作りが大切です。不調をため込んでいる女性に、寄り添う言葉をかけてほしい」と呼び掛ける。【近藤綾加】

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