5月17~25日、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場(神戸市須磨区)で開かれる「神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会」をPRしようと、神戸商工会議所は「パラ陸上の魅力セミナー」を同商議所会館(同市中央区)で開催した。大会組織委員会の増田明美会長による講演会などが行われ、大会の魅力をアピール。しかし、大会まで1カ月を切っても、地元では盛り上がりに欠けているのが現状のようだ。
「視覚障害のある選手とその伴走者がシンクロして走る一体感に涙が出るほど感動した」。今月19日のセミナーで、増田会長はパラ陸上の魅力の一端について、自らの体験を踏まえてこう紹介した。
大会は当初、令和3年9月に予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2度延期。今回、関係者にとっては念願の開催となり、約100の国から約1300人の選手が参加する。増田会長は「さまざまな競技やそれら競技に取り組む多くの選手を見てほしい」と強調した。
大会に向けたPRの取り組みについては、21日の「神戸まつり」でも、増田会長や選手らがパレードに参加したり、ブースを設けたりしてPRした。しかし、地元での盛り上がりは今ひとつだ。同商議所副会頭で、大会で最上位のプラチナスポンサーに名を連ねるアシックスの尾山基・シニアアドバイザーも「若干、機運醸成が少ないのではないかという声も聞いており、今後、(自身が会長を務める)神戸観光局などで何らかの宣伝をしていきたい」と不安を募らせる。
大会組織委は、9日間の大会期間中1日あたり1万人、計9万人の来場を目標に掲げている。現在、前売りチケットの販売数は約3万8千枚だが、うち約2万8千枚は主に神戸市の幼稚園児から高校生までを招待するため、寄付を募って集めた資金で組織委が購入したもので、いわゆる一般向け販売は必ずしも順調とはいえない。セミナーでは増田会長も「一枚でも多くチケットを買って」と呼びかけていた。
組織委は大会の見どころや参加予定選手を紹介する新たなパンフレットを作製し、21日から配布を始めるなどのテコ入れ策を展開。間近に迫った大会の機運醸成に向けた取り組みを加速させたいとしており、これからが大会成功に向けた正念場となる。
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