日本酒や焼酎、泡盛など日本の「伝統的酒造り」が、ユネスコの無形文化遺産に登録される見通しとなりました。これにより、日本のお酒の世界的認知度が高まり、需要が伸びることも期待されます。県内には日本酒の酒蔵も多く、県内の蔵人や酒造販売者からも歓迎の声が聞かれました。
文化庁によりますと、国連教育科学文化機関(ユネスコの評価機関)は5日、日本が提案していた「伝統的酒造り」について無形文化遺産に登録するよう勧告しました。
日本の伝統的な酒造りの原型は500年以上前の室町時代に確立されたとされ▼コメなどの原料を蒸す▼こうじを作る▼発酵させる、などの伝統的な技術が、各地の風土や気候に合わせ伝承されてきました。
ユネスコの評価機関は「酒造りが職人と地域住民を結び、環境の持続可能性に貢献している」ことなどが登録基準を満たしているとしました。
日本酒づくりが盛んな福井では、伝統的酒造りの無形文化遺産登録をどう感じているのか、創業220年、福井市内最古の酒蔵「常山酒造」を取材しました。
店主で杜氏の常山晋平さんは「業界にとって明るいニュース。輸出量も伸びているので日本酒に取って追い風」とし、福井の酒造りを世界に知ってもらうチャンスが広がったと喜んでいます。
また、杜氏や蔵人の技術が評価されたことについては「前の杜氏から引き継いだ技術や自然の変化に合わせていくような造りも必要な中で、ユネスコの無形文化遺産に認められようとしているのは非常に有難い。和食との相乗効果で世界中で認知されて
いけば有難いし、MADE IN FUKUIを伝えていけるような酒造りをしていきたい」と話します。
また、福井駅構内にある「くるふ福井駅」で県内の地酒の飲み比べや販売を行う「おさけとワインみずもと」では「福井は海外の利用客が少ないので、日本の酒造りが興味を持ってもらえるような流れは有難い。現状ではインバウンドは感じづらいが、日本酒の価値を感じている方に福井のお酒を知ってもらいたい」と、福井の地酒を求めるインバウンド客が増えることを期待します。
文化庁によりますと、12月にパラグアイで開かれる政府間委員会で、無形文化遺産への登録が正式に決まります。
国内では2013年に和食が無形文化遺産に登録された後、海外の日本食レストランは10年で3倍に増えています。世界のアルコールでは、ワイン、ビール、馬乳酒、ブランデー、ラムは登録済みで、そこに日本酒も加わることになります。
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