山形大学の教員が蔵王のアオモリトドマツの枯れ木を無断で伐採していた問題。大学は会見で、無断での伐採は教員の誤解が原因だったとし、今後許可を得られれば、伐採した枯れ木を使って研究を続けたい考えを示した。
特別保護地区の国有林56本を伐採
この問題は、山形大学農学部の教員が2024年10月、蔵王ロープウェイ・地蔵山頂駅の周辺で、樹氷を形づくるアオモリトドマツの枯れ木56本を許可を得ずに伐採していたもの。
この記事の画像(7枚)この場所は、蔵王国定公園内の特別保護地区の国有林で、伐採するには国と県の2つの許可が必要だ。
山形大学はこの件について、12月5日に臨時の記者会見を開いた。
山形大学の玉手英利学長は「蔵王の樹氷の復活に向けて山形県の官民を挙げて取り組んでいる中で、このような事態が生じたことを極めて重く受け止めている」とコメントした。
県の許可あれば伐採できると誤解…
大学や山形森林管理署によると、教員は2024年4月、アオモリトドマツが枯れた要因の研究目的で伐採の申請をするため山形森林管理署を訪れた。
しかし、伐採の本数が多いことなどを理由に受理されず、再検討を促された。
あわせて山形森林管理署から「県の許可も必要」と伝えられ、この時、教員は「県の許可があれば伐採できる」と誤解してしまったという。
教員は9月に県に申請し許可を得たため、10月になって伐採に着手した。
「地域に役立つ研究」継続したい考え
今回の研究について、山形大学の渡部徹農学部長は「原則で言えば中止になる」としながらも、「当該教員としても学部長としても、地域の役に立つ研究だと思うので、許可を得られればぜひ続けていきたいと思っている」と述べ、伐採した枯れ木を使って研究を継続したい考えを示した。
大学は現在、教員の処分について検討している。
一方、今回の伐採を受け、山形森林管理署の添谷稔署長は、「多くの観光客が訪れる場所でアオモリトドマツの枯損木を多数伐採することは、枯損木であっても樹氷がつくことを踏まえれば、国有林野の風致の維持に影響を及ぼす恐れがあることから、無許可で伐採されたことは非常に残念」とコメントしている。
(さくらんぼテレビ)
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