「アウトドアで防災を考える」今回もテーマは“災害時の食”です。災害が発生し避難生活を送ることになっても、いつも通りの食事をとることが安心につながります。耐熱のポリ袋を使って秋田の郷土料理を作りました。

自然災害が発生してライフラインが止まってしまったら、役に立つのがカセットコンロと熱に強いポリ袋です。今回は秋田の郷土料理「きりたんぽ」を作ります。材料は普段使っているものや人数に合わせて用意しましょう。

「東日本大震災の時、地震発生直後に冷蔵庫にあったものや自分の家で備蓄していたものを使って調理していました」と話すのは、秋田市の日本赤十字秋田短期大学の及川真一さんです。及川さんは「『肉や野菜などが災害時に手に入るのか』というより、家庭にあるものを使って調理する、工夫していくことが大切なポイントになってくる」と話します。

まずはコメを炊きます。ポリ袋にコメと水を入れ、湯の中で袋が浮かないように空気を抜いて袋の上の部分を結んだら、30分ほど浸水させます。

続いては具材。鶏肉やマイタケなどの材料をポリ袋に入れるだけで準備は完了です。

コメを入れた袋と具材を入れた袋を鍋に入れて調理していきますが、袋を鍋に直接入れると破れる可能性があるため、鍋の底には皿を敷くか菜箸とクリップを使って鍋の底に袋がつかないようにします。25分ほど経過したら鍋から袋を取り出し、炊き上がったごはんを蒸らしている間に「アルファ米」でみそたんぽを作ります。

今回は、みそ40グラム、みりん大さじ1杯、砂糖小さじ1杯を混ぜ合わせて味付けします。お好みで調整してください。

炊き上がったアルファ米は、半分つぶすようなイメージで袋のままつぶします。ごはんをつぶしたら袋から出し、箸に巻き付けるようににぎります。

フライパンに調理用のホイルを敷き、たんぽを焼きます。弱火で3分ほど焼き、焼き目がついたらみそを塗って完成です。

一方、鍋で作った具材と合わせるのは、家庭で手軽にできる「だまこ」です。蒸らしておいたごはんを形が崩れないようにしっかりとつぶし、食べやすい大きさに丸くして具材の中に入れたら完成です。

災害時を想定した調理を日常に取り入れて慣れておくと、いざという時に安心です。

及川さんが能登半島に災害支援で行ったとき、徐々にスーパーが再開されて買い物ができるようになっても断水と停電が続いているという状況で、買ってきた食材や家にある食材を、限られた水と燃料を使って調理していたといいます。

及川さんは「今回紹介した調理方法は洗い物がほとんどないので、災害時に絶対に覚えておいてほしいスキルになります」と話し、自分たちでやってみてほしいと日常的な備えを呼びかけています。

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