浜松医科大学の2025年4月からの学長に副学長の渡辺裕司さんが選ばれました。再任が決まっている静岡大学の日詰一幸学長の“リセット”発言の説明を求めるとともに「白紙撤回は受け付けられない」と語気を強めました。
浜松医科大学・渡辺裕司 新学長:
大学同士の機関決定をした合意というのは非常に重い
12月11日午前、浜松医科大学で記者会見を開いたのは新しい学長に選ばれた渡辺裕司さんです。
記者からの質問の多くは静岡大学との統合・再編についてでした。
静岡大学と浜松医科大学が統合・再編に合意したのは2019年。
法人を1つにして静岡地区と浜松地区でそれぞれの大学を運営する「1法人2大学」という再編案でした。
しかし、静岡大学 人文社会科学部・田島慶吾 副学部長(当時)は「静岡地区に残される4学部は(将来へ)何のビジョンも示していない」と述べ、静岡キャンパス側が「縮小再編」されてしまうことへの懸念から反対を表明。
そして2020年、静岡大学の学長選考で選ばれたのは再編に慎重な日詰一幸学長でした。
その後、両大学は2021年に計画延期を発表。
さらに日詰学長は、2つの大学を統合し静岡と浜松に分校を置く1大学2校案を示し、静岡大学は正式な案に決めました。
こう着状態が続く中、2024年10月に静岡大学では日詰学長の再任が決まりました。
静岡大学・日詰一幸 学長:
合意書は、2024年度内をメドにリセットする
再任会見で日詰会長から発せられたのはリセット。事実上の白紙撤回でした。
こうした静岡大学側の動きに知事などからも苦言が。
静岡県・鈴木康友 知事:
浜松医科大学に対して何の相談もなく、勝手に白紙撤回するのは信義にもとること
静岡市・難波喬司 市長:
最先端の研究をされている方々は、はっきり申し上げると頭を抱えているんじゃないか
こうしたなか、新たな学長に選ばれた浜松医科大学の渡辺さん。
まずは日詰学長から「リセット」発言の説明を求めていくということです。
浜松医科大学・渡辺裕司 新学長:
(静大の)日詰学長は、これまで連携協議会で「白紙撤回はしない」と繰り返し明言していた。日詰学長のいう“リセット”と白紙撤回がどう違うか伺いたい。白紙撤回だと4年間の議論が全くなかったということになってしまうので、白紙撤回はとても大学としても受け入れられない
かじ取り役が変わり統合・再編はすすむのか。
今後、渡辺さんは静大静岡キャンパスの教職員に直接説明する機会を設けてもらう考えも示しています。
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