ごみ捨てを巡り、全国で初めてとみられるある厳しい対応が決まり、注目を集めている福島市。

ごみ捨ての分別ルール違反をした人の個人名をホームページ上に公表するといいます。
この一見厳しすぎる対応に様々な意見が出ています。

20日は「ごみの分別ルール違反で『個人名公表』 ソレってどうなの?」をテーマにお伝えします。

福島市は17日、ごみの袋を開けて中身を確認する開封調査を実施することを定めた改正条例を可決しました。

ごみの分別が守られず悪質だった場合は、個人名や事業者名をホームページ上に公表するという対応をとるということです。

福島市・木幡浩市長:
ゴミの適正排出の市民の責務として明確にすると共に、悪質な違反ゴミの「開封調査」を導入して、排出者に注意指導し是正を働きかけます。

ごみ分別違反者の公表が始まるのは2025年の3月からです。

福島市の調査によりますと、ごみの開封調査を行っているのは全国に62ある中核市の半数以上です。
この中で事業者名に加えて個人名まで公表するのは、全国の自治体では初めてなんだそうです。

街の人に、ごみ分別違反者の個人名を公表することに「賛成」か「反対」か意見を聞きました。

賛成の人からは「(分別)しない人は何のルールも守らない」「1回試験的にやってみても言いと思う。抑止力になるんじゃないかな」という意見が聞かれた一方、反対の人からは「個人名公表はダメだよね。いけないことだけど、ここまでしなくてもいいですよね」「いや、もうそれはやり過ぎ」「個人名まで出すのはやり過ぎ」「個人情報保護とかあるのになぜそこまでするんだろう」などの声が聞かれました。

また、どちらともいえないという人は「(分別)めんどくさい。牛乳パック。自分(の地域)だったらイヤだな」と話しました。

番組が個人名を公表することについて30人に取材をしたところ、賛成が13人、反対が15人、どちらともいえないが2人ということで、反対の方が少し多いという結果になりました。

このように賛否に分かれたごみ分別のルール違反による個人名の公表ですが、実際にごみ清掃会社で働いているお笑い芸人「マシンガンズ」の滝沢秀一さんにも意見を聞きました。

ゴミ清掃会社で働くマシンガンズ・滝沢秀一さん:
ズバリ言えば賛成。リチウムイオン電池入ってますね、爆発するんですよパーンっと。だから本当に危ないですね。目とかに入ったりとかね。全国で(個人名を公表)した方がいいんじゃないかと思ってます。

清掃員の人は、分別の仕方1つで命に危険が及ぶことがあるということなんです。

ちなみに、自治体によってごみの分別と細かさが違うのですが、その違いはどこにあるのでしょうか。

ゴミ清掃会社で働くマシンガンズ・滝沢秀一さん:
すごく立派な焼却炉みたいなことって、人口が多く住んでいれば、それだけ税金が皆さんから集めて建てられたりするけど、(税金が)少ないところは負担になる。

では具体的にどのような流れで個人名が公表されるのでしょうか。

まず、ルール違反のごみが見つかった場合、違反シールが貼られます。
それでも1週間ほど放置されたごみについては、ごみの袋を開けて中身を確認する開封調査を実施します。
この開封調査で、郵便物などから違反者を特定します。

福島市によると、この開封調査は第三者の目に触れない閉鎖空間で行われるということです。

その後、違反者に直接口頭で指導します。
それでも改善が見られない場合は文書で勧告。

最終的な手段として、市のホームページに個人名や事業者名を公表することになるわけです。

はたして個人名の公表でごみ分別は改善されるのでしょうか。

2015年にゴミの分別のルール違反をした事業者名を公表する条例を作った京都市に話を聞きました。

京都市・資源循環推進課係長:
(Q.いままで事業者名を公表したことある?)公表に至ったケースというのはないって所です。分別がやはり守られるようになっていることは事実としてある。いわゆる抑止力という形の働きはあるんだろうなと。

福島市によると、個人名が公表されるのは半永久的にというわけではなく、一定期間にとどまるということです。

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