窓際で逆立ちするカラス
奇怪なダンスを踊るカラスの姿が、北海道根室市で目撃されました。
窓ガラスの上部から、まるでコウモリのようにぶら下がり、途中でぴたっと止まるなど、まるでダンスをしているかのようです。
その姿は、ブレイクダンスで逆立ちして静止する、「フリーズ」と呼ばれるワザのようにも見えます。
このちょっと”イケてる”カラス、窓ガラスに映った自らの動きをひとつひとつチェックしながら、練習しているかのようにも見えて、かなり”真面目”な様子。
この日は約1時間にわたり、この動作を繰り返していました。
このダンスカラスが根室市に最初に現れたのは2024年9月ごろ。午前8時ごろから2~3時間ほど踊り続けていたとのことです。
当初は毎日踊っていましたが、現在は10分間ほどしか姿を見せず、市民からは「そろそろ飽きたのでは」との声も出ています。
果たしてこのカラス、ブレイクダンスを踊るほどまでに器用なのか?
市民の疑問を解明するため、取材班は、カラスの生態に詳しい宇都宮大学の杉田昭栄名誉教授に質問をぶつけてみました。
すると杉田教授は「窓に映った自分の姿を別のカラスだと思い、攻撃しているのでは」と分析。
たしかによく見てみると、くちばしで攻撃するかのように窓ガラスを突き、さらに足で蹴っているようにも見えます。
杉田教授によれば「鏡像認知」がキーワードになるとのこと。
「鏡像認知」とは鏡に映った姿を自分だと認識できる能力のこと。
チンパンジーやイルカ、ゾウなど知能が高いと言われる動物は「鏡像認知」が可能で、鳥類でもカササギは「鏡像認知」の能力を有しています。
同様に賢いと言われるカラスですが…
杉田教授によりますと、なぜかハシブトガラス、ハシボソガラスについては、「鏡像認知」できるとは証明されていないそうです。
かつて取材班は、おたる水族館でトドの鳴き声を器用にマネする、お利口カラスを取材しました。
それを象徴するかのように、カラスは他の動物と比べて脳の割合が非常に高いことが分かっています。
体重あたりの脳の割合は、人間が1.8%に対して、カラスは1.4%と迫っています。
・人間:1.8%
・カラス:1.4%
・猫・犬:0.6%
・馬:0.05%
ただ「鏡像認知」の能力がないため、鏡面に映った自分の姿を別の個体だと認識している可能性が高いとみられていいます。
杉田教授によりますと、よく見かける”すべり台を滑るカラス”も、自分の映っている姿をほかのカラスと認識して追いかけているのでは、とのことです。
まだまだ謎の多いカラスの生態。動物の変わった行動を目撃したら、ぜひお知らせください。私たちが追跡取材を行います!
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