「瓦そばドッグ」を手にする山本光穂子さん=山口県下関市で2024年5月7日午後1時1分、山本泰久撮影

 山口県の下関発祥の名物「瓦そば」をパンに挟んでホットドッグにした「瓦そばドッグ」(480円)が観光客らの間で人気を集めている。下関市王司上町のパン店「焼きたてパンkirari」が開発し、市中心部の唐戸商店街エリアの2号店のみで1日30食限定で販売している。海風に吹かれて瓦そばドッグを食べれば、観光気分も盛り上がりそうだ。

 2号店は唐戸商店街エリアの活性化を目指す商業施設「唐戸はれて横丁」にあり、2024年1月のオープンに合わせて「瓦そばドッグ」を開発。同店代表の山本光穂子(みほこ)さん(40)は「目玉商品を作ろうと思いました」。知り合いの山陽小野田市の製麺会社から「茶そばで何か作れないか」という相談を受けていたこともあり、昨夏から試作を始めたという。

 試行錯誤の末に完成した「瓦そばドッグ」は、食用竹炭と茶そばを練り込んだ黒いパンを瓦に見立て、そこにボリューム満点の茶そば、肉、錦糸卵、ネギを挟み込む。食べると茶そばの香りが口中に広がり、瓦そばを堪能できる。山本さんは「販売を始めてからもお客の意見を聞きながら味を整えていき、やっと今の味になりました」と話す。

瓦に見立てた黒いパンが特長の「瓦そばドッグ」。パンのもちもち食感と肉、錦糸卵、ネギの相性は抜群=山口県下関市で2024年5月7日午後1時55分、山本泰久撮影

 山本さんの情熱は更に広がり、「瓦そばパンお焼き」(340円、380円)も5種類開発。竹炭と茶そばを練り込んで作った生地の中に、キムチや肉、瓦そばとチーズを入れた総菜風のもののほか、粒あんと白玉などを入れたスイーツ風のものもある。

 山口県美祢市出身の山本さんは結婚を機に下関に移り、コインランドリー店を営む実弟と相談して「主婦層に受け入れられるものをコインランドリーの隣で売ろう」と21年12月にパン店をオープン。「もっと手を広げよう」と唐戸で2号店をオープンさせた。「秋か冬には、瓦そばを使った肉まんが作れないか。全国に瓦そばのおいしさを知ってもらいたい。唐戸にもっとお客さんが来てほしいし、下関を盛り上げていきたい」。山本さんの夢は広がる。【山本泰久】

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