石川県は23日、能登半島地震による災害関連死として3市町の計30人が認定されたと発表した。関連死の正式認定は初めて。避難所での生活や車中泊で心身に負荷がかかったケースが多く、避難所で新型コロナウイルスやインフルエンザに感染して亡くなった人もいた。地震の犠牲者は、建物倒壊などによる直接死230人を含め260人となった。

関連死に認定された人の遺族には、災害弔慰金支給法に基づき最大500万円が支給される。

家族が関連死に認定された輪島市の70代男性は取材に「ようやく気持ちの整理ができる。残された家族が少しでも前を向けるので、認定されたことはありがたい」とほっとした様子で話した。

認定は輪島市9人、珠洲市14人、能登町7人。輪島市によると、9人のうち、年代などが公表された7人は60〜90代の男女。70代女性は避難所生活や転居で心身に負担がかかり、急性心筋梗塞で亡くなった。60代男性は「専門的な医療を受けられず基礎疾患が悪化した」とされた。

珠洲市の14人のうち10人は60〜90代の男女。60代男性は車中泊などで持病が悪化して虚血性心疾患で亡くなり、90代女性は地震でショックを受け、くも膜下出血により死亡した。

能登町の80代女性は特別養護老人ホームで被災。地震後に認知症が進み食欲がなくなり、体力が低下して亡くなった。

関連死は審査を経て市町が認定する。石川県は5月14日、市町との初回の合同審査を実施し、30人の認定を決めた。

県はこれまで「災害関連死疑い」とした15人を含め、計245人を地震の死者と公表していた。担当者は「今後は正式に関連死と認定した人数のみを死者数に含めて公表する」と説明した。〔共同〕

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