東京地裁=東京都千代田区で2020年1月15日午前10時36分、米田堅持撮影

 東京都千代田区のJR四ツ谷駅前の横断歩道で緊急走行中のパトカーにはねられて5歳の男児が死亡した事故を巡って、遺族が東京都に計約2億円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は23日、都に計約6600万円の賠償を命じた。菊池憲久裁判長は「パトカーの前方不注意の過失は相応に大きい」と認めた。

 判決によると、2019年8月18日、青信号の横断歩道を渡っていた男児が警視庁のパトカーにはねられた。パトカーは緊急走行中で、時速40~50キロで赤信号の交差点を直進していた。男児は頭を強く打って約1カ月後に死亡した。

 都側は賠償責任を負うことを争っておらず、賠償額が争点だった。判決は、男児には何ら落ち度がないとし、「苦痛を受けながら闘病して死亡するに至り、未来を絶たれたことを考慮する」と賠償額の算定理由を説明した。

 警視庁の小松秀樹訟務課長は「亡くなられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、ご遺族に深くおわびする。判決を真摯(しんし)に受け止め、ご遺族の意向を踏まえ、対応していく」とコメントした。【巽賢司】

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