環境省と法務省は28日、能登半島地震の被災家屋の公費解体について、全体が倒壊するなど明らかに建物としての機能を失っている場合、所有者全員の同意がなくても市町村の判断で災害廃棄物として解体できると関係自治体に通知した。
公費解体の迅速化が狙い。大きな被害があった新潟、富山、石川、福井の4県に発出した。
1階部分が完全につぶれたり、焼失したりした建物は、既に建物としての用途を失ったとして、法務局登記官の職権で建物が「滅失」したとする登記手続きを実施。思い出の品など必要なものを持ち出したことを確認した後は、市町村の判断で公費解体できるとした。
伊藤信太郎環境相は28日の記者会見で「県と連携し、課題を一つ一つ解決して進めていきたい」と述べた。
家屋の公費解体は、原則として所有者全員の同意が必要。能登半島地震では、相続を繰り返すなどして家屋の所有者が複数にわたり、同意確認が難航するケースが多発していた。
石川県は県内で約2万2千棟の公費解体を想定。環境省によると、5月26日時点で石川県内の1万5614棟の申請を受け付けた。解体実施は831棟、うち完了したのは346棟だった。〔共同〕
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