福岡高裁=福岡市中央区で、吉川雄策撮影

 福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で略取誘拐や殺人の罪に問われて死刑が確定し、2008年に執行された久間三千年(くまみちとし)元死刑囚(執行時70歳)の第2次再審請求審で、弁護側は10日、請求を棄却した5日の福岡地裁決定を不服として、福岡高裁に即時抗告した。高裁が再審開始の可否を改めて判断する。

 弁護側は第2次再審請求審で、確定判決が被害女児2人の「最後の目撃者」とした当時20代の女性が「事件当日は見ていない」と翻した「証言」を新証拠として提出。「捜査当局が虚偽の内容の供述調書を作った」と主張したが、地裁決定は「(証言は)信用できない」として請求を棄却した。

 弁護団の岩田務弁護士は「信用性がないと判断したのは誤りだ」と決定を批判。請求審で地裁が出した証拠開示勧告を、検察側が拒否していたことから「裁判所は検察側に証拠開示命令を出し、隠している証拠を出させた上で新証拠の信用性を判断すべきだ。真実解明をちゃんとしてほしい」と訴えた。【志村一也】

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