大阪府警本部=藤田剛撮影

 介護中だった90代の母親に暴行して死亡させたとして、大阪府警は10日、同居する大阪弁護士会所属の弁護士、高田豊暢(とよのぶ)容疑者(58)=東大阪市衣摺(きずり)1=を傷害致死の疑いで逮捕した。母親の全身には古いあざを含めて複数の打撲痕が確認されており、府警は高田容疑者が虐待を繰り返していた可能性もあるとみて経緯を調べている。

 亡くなったのは母親の悦子さん(94)。要介護2で自力での歩行や食事は可能だったが、他の家族は「軽度の認知症だった」と説明している。

 逮捕容疑は5月12日ごろから20日未明にかけ、東大阪市内の自宅で悦子さんの顔面を頭突きしたりプラスチック製のお盆で殴ったりしたほか、頭や肩を殴って死亡させたとしている。「数々のけがは私の暴力によってできたものだと思う」と容疑を認めているという。

 府警捜査1課によると、高田容疑者は母親と妻、長男との4人暮らし。高田容疑者から依頼された長男が20日午前3時ごろ、「(悦子さんの)脈と呼吸がない」と119番した。悦子さんは心肺停止状態で府内の病院に搬送されたが、死亡が確認された。司法解剖の結果、死因は暴行による多発外傷だった。

 高田容疑者は逮捕前の任意の事情聴取に「19、20日に(悦子さんに)介護サービスを受けてほしいと頼んだが、話がかみ合わず断られたので口論になった」と説明しており、府警は事件との関連を調べている。【林みづき、斉藤朋恵】

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