6月12日に東京都知事選への出馬を正式表明した小池百合子都知事が、同日夜の「BSフジLIVEプライムニュース」に緊急生出演。選挙戦に向けた胸の内を伺った。

一番に訴えたいことは「首都防衛」

竹俣紅キャスター:
東京都知事選への出馬を正式に表明した小池さん、改めて都知事選への決意は?

小池百合子 東京都知事:
定例議会の閉会まではしっかり議会に対応するということで、今日の出馬表明になった。この間コロナ対策、オリンピック・パラリンピックの開催など歴史的な都政が続いたが、その中でチルドレンファーストの政策に一生懸命取り組んできた。また一言で言うと首都防衛だが、命を災害から守ること、そして経済を守り育てることをさらに加速させていく必要がある。東京は日本の首都であり、それは大きな意味を持ってくる。

反町理キャスター:
今回の都知事選で一番訴えたいことは?

小池百合子 東京都知事:
やはり首都防衛。自然災害だけではなく、(朝鮮)半島の動きも予測しがたい。経済安全保障もある。ある意味で全てが集積している東京でいかに進めていくか、これは日本にとっての問題でもある。大義と都民の皆さんの共感のある政治をこれまでやってきた。さらに進めたい。

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反町理キャスター:
コロナと向き合う中、東京オリンピック・パラリンピックも延期になった。当時は何が一番の課題だったか?

小池百合子 東京都知事:
見えざる敵との戦いで、特に前半は世界中でその方法論がわからなかった。ワクチンが出てきて、それをどうやって打つか。また夜中に国から大きな事務連絡がきててんやわんや、ということの連続だった。最初に行ったのは、危機管理の要諦として、広く客観的に何が問題か、何をすべきかを絞り込み毎日それを実行していくこと。その観点から東京iCDC(感染症対策センター)という専門家グループを作った。都民の皆さんに理解していただくためリスクコミュニケーションの専門家にも入っていただいた。結果として、100万人あたりの死亡者数はニュージーランドの次に低く抑えられた。できるだけ抑えることができたと思っている。

反町理キャスター:
東京都独自の対策をやる中、結果的に政府と大喧嘩していたようにも見えた。当時は菅義偉総理だったが?

小池百合子 東京都知事:
現場の感覚が毎日上がってくる中、人の命をどうやって救うかということは、時間との闘いでもあった。だが菅さんの100万人のワクチン計画は、それこそ大義と共感を伴っていたと思う。

合計特殊出生率「0.99」の東京都、少子化対策の自己評価

竹俣紅キャスター:
小池都知事は出馬表明の中で、現在抱える課題として「少子高齢化・人口減少」「自然災害」「女性活躍」「デジタル化」の4つを挙げた。小池さんが都知事になってから8年間で、出産前から大学生に至るまでの長期にわたる様々な子育て負担軽減策が実現された。一方で東京都の合計特殊出生率が全国最低の0.99。どう自己評価するか?

小池百合子 東京都知事:
人口という大きな話と、結婚・出産という個人の希望をどう叶えるかという大きなテーマ。これはなかなか国のど真ん中の政策にはならない。はっきり申し上げて東京が牽引してきた部分はたくさんあると思う。私どもがチルドレンファーストと呼ぶ子育て政策が、ある意味国の政策をも動かしてきていると自負している。今、都民は何を望んでいるか。結婚そのものがリスクだと思う方がいたり、子供1人を産むことにあれほど痛い思いをしたのでもう嫌だ、という方もいる。人の気持ちが大きく作用する部分であり人生を賭けて考えることだから、切れ目がない「シームレス」というのがキーワード。

反町理キャスター:
確かに、出産から子どもが大学を卒業するまでの負担を軽減している。

小池百合子 東京都知事:
また私はレガシーだと自負しているが、今年度から所得制限をやめた。政策によって違うが、子育てを社会全体・東京全体で応援していると伝えること。大きなメッセージになっていると思う。

反町理キャスター:
一方で、東京都の合計特殊出生率は全国最低の0.99。効果がないのか、お金のかけどころが間違っているのか?

小池百合子 東京都知事:
しっかり続け、また加速させるべき部分がたくさんある。世界ではコロナの影響が出ており、アジアは出生率が非常に下がっている傾向がある。ソウルは0.55、台北が0.8を切ったぐらい。今度台北とバンコクの市長とオンラインで結んで、アジアの問題として情報共有する。いずれにせよ、合計特殊出生率は15歳から49歳の女性の数を分母に、何人子供を産まれたかを分子にした値。東京は女子学生が多く、まだ人生において子供を産むという状況ではないということもある。ただ下がっていることは事実。ポイントは分母である母を守ること。どうやって幸福に産み育てるか、それがどう全体としての幸福に繋がっていくかということを設計すべきで、そのために東京都がモデルを示していきたい。

反町理キャスター:
出馬表明の会見で「東京大改革3.0」という話があった。1回目の選挙の公約が1.0、4年前が2.0、今回が3.0ということか?

小池百合子 東京都知事:
どんどん進化している。デジタル化でもFAXレスはほぼ達成し、また都の施設は100%キャッシュレスで入れる。建築許可の手続きなどもデジタル化をどんどん進めている。今の若い親はスマホ世代であり、例えば赤ちゃんが産まれたあとのワクチンの接種や子育て支援の情報などをプッシュ型で伝えることで、子育てのための手続きでエネルギーを使わないようにしている。改革を積み重ね、質を高めていきたい。

蓮舫氏発言に小池氏「それはもう、出馬される意気込みを語られた」

竹俣紅キャスター:
7月7日に投開票が行われる東京都知事選には40人以上が立候補の意向を表明している。小池知事の最大のライバルとみられるのが、立憲民主党に離党届を提出した蓮舫参院議員。「自民党政治の延命に手を貸す小池都政をリセットする先頭に立つのが私の使命」「8年前、都議会自民党伏魔殿とか都庁のブラックボックスを壊すと言って都知事に立候補した小池さんは眩しくてかっこよかった。でもこの8年間の彼女の実績はどうか。7つのゼロ公約はどこに行ったか」「反自民党政治・非小池都政」と発言した。この受け止めは?

小池百合子 東京都知事:
それはもう、出馬される意気込みを語られたと思う。

反町理キャスター:
「7つのゼロ」の話。かつて小池さんが言った「待機児童」「介護離職」「残業」「電柱」「満員電車」「多摩格差」「ペット殺処分」を達成していないという蓮舫さんの指摘は?

小池百合子 東京都知事:
過去4年コロナと戦う中で、7つどころではなく160以上の項目があり、うち139をほぼ達成した。できていない部分は大体コロナの影響を受けてできなかった。例えば待機児童はほぼゼロ。都庁で介護離職が増えたと糾弾されるが、最新の数字はコロナの真っ最中のもので、行政としてはああいうときにこそ残業してでも命を救うことが使命。そこの数字を言われても、と思う。

反町理キャスター:
蓮舫さんは無所属で戦われるが、小池さんも無所属か?

小池百合子 東京都知事:
2016年も2020年も無所属で、政党の推薦はついていない。今回も同じ形で。

反町理キャスター:
自民党がどういう形で小池さんを応援するか。補欠選挙以降、地方選挙も自民党という名前がついたものはほぼみんな負けている中、東京選出の自民党議員や東京都連は勝手連的な応援をするという方針を決めているようだが?

小池百合子 東京都知事:
その議員の方々は保守の都民に支えられている。応援していただける都民の皆様方はとても心強い。

竹俣紅キャスター:
視聴者の40代女性の方から。「都知事選には数多くの立候補予定者が乱立しているが、これは民主主義にとって良いことか。知名度勝負になり都政の中身の議論が置き去りになる気がする」とのご意見には?

小池百合子 東京都知事:
立候補はそれぞれの自由。それも民主主義。だが皆さんが当選を目的に立候補されるのか。以前、ビジネスモデルだとおっしゃる方もいた。それが結果として民主主義、選挙に対しての有権者の不信感に繋がっていくのは憂うこと。

反町理キャスター:
愛知県の方からのメール。「ご自身の学歴問題について今語るべきでは」とのご意見には?

小池百合子 東京都知事:
ずっと卒業証書を出している。証明できるのはカイロ大学だけで、カイロ大学そのものが認めている。これ以上のことはないと思う。

(「BSフジLIVEプライムニュース」6月13日放送より)

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