大阪府高槻市の小学校で行われた避難訓練(11日)=共同

大阪府北部地震から18日で6年を迎える。登校していた小学4年の女児がブロック塀の下敷きになり死亡した高槻市では地震を教訓に、教員や児童らによる学校の安全対策を強化し、住民も交え危機意識の共有を進めている。市教育委員会は「被害を風化させないよう取り組み続ける」としている。

同市の小学校で今月11日、大規模地震を想定した避難訓練があった。地域住民が見学する中、教員約60人が教員役と児童役に分かれ、児童のけがの処置や、パニックを落ち着かせる動きを確認した。

シナリオを事前に知らされない本番さながらの訓練で、児童役で参加した教員は「助ける立場だけやっていても気付けない子ども目線での発見があった」と話した。

訓練で指導役となったのは、地域と連携し計画的に安全対策を進める「セーフティプロモーションスクール(SPS)」に認証された市内小学校の教員だ。SPSは2001年の大阪教育大付属池田小学校内の児童殺傷事件をきっかけに大教大が創設した制度で、全国で50校近くが認証されている。

高槻市では、ブロック塀が倒壊した寿栄小で21年3月に認証を取得。その後、他の3校にも広がった。この4校では、実践的な避難訓練や危機管理マニュアルの検証などを継続的に実施。これらの活動の報告会に住民も参加し、課題を共有している。市教委学校安全課の田口裕之課長は「地域一体となって安全水準を上げていきたい」と強調する。

大教大学校安全推進センター長の藤田大輔教授は「地域に守られているという児童の自尊感情を育てることで、安全を共につくる次の担い手の育成にもつながる」と指摘している。〔共同〕

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