龍谷大はカプセルホテル形式の宿泊施設を設けた(4日、大津市)

龍谷大学は瀬田キャンパス(大津市)にカプセルホテル形式の宿泊施設を設けた。8日から運用する。研究が夜間におよび、泊まりがけを余儀なくされる学生や教職員を支援する。同キャンパスは2025年度には先端理工学部、農学部だけの「理系特化」に移行する。「技術立国」再興を目指す文部科学省は全国の大学に理系分野の拡充を促しており、龍谷大は施設整備で志願者増を目指す。

「Rest Nest(レストネスト=休息場所の意)」と名づけた宿泊施設は14床と6床の2つのスペースに分かれ、予約状況によって男女が使い分ける。シャワーも備え、1泊1000円。連泊はできない。研究のために帰宅が困難な理系の学生や教職員の利用を想定している。これまでは研究室に泊まり込むケースが多かったが、女子学生が増えてきたこともあり、大学側が対策を検討していた。

瀬田キャンパスに設けられたオープンスペース(4日、大津市)

多くの大学は避暑地などにセミナーハウスと呼ばれる施設を設け、ゼミ合宿などで活用しているが、普段使うキャンパスに個人で利用できる宿泊施設を設けるケースは珍しいと龍谷大は説明する。瀬田キャンパスではこれに加え、学生や教職員が集いやすいフリースペースとして「Green Deck(グリーンデッキ)」や「Sky Deck(スカイデッキ)」を設け、4日に公開した。いずれも県産材をふんだんに使った。総工費は公表していない。

新施設のオープニングセレモニーには滋賀県の江島宏治副知事(左から2人目)、大津市の佐藤健司市長(同3人目)も参加(4日、大津市)

25年4月には瀬田キャンパスから社会学部が大学本部のある深草キャンパス(京都市)に移り、理系の2学部が残る。これら2学部の募集定員を25年度に増やす予定はないが、各地の大学で理系志願者の受け入れ枠が拡大していくため、龍谷大は優秀な学生を確保するためにも施設を含め魅力を高める必要があると考えている。

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