マカオのカジノに絡む架空の投資話で出資金をだまし取られたとして、男女10人が11日、コンサルタント会社代表ら2人に計約5300万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。原告側によると、この会社は元金を保証すると約束し、少なくとも700人から100億円近くの出資金を集めていたという。
訴状などによると、原告は大阪や京都のほか、東京、神奈川の会社員ら。コンサル会社はマカオにある「CYC管理有限公司」で、日本人男性2人が2014年に設立した。
CYCは有名ホテルのカジノで、VIP客が賭けに使うチップを貸し付ける事業があると説明し、出資を勧誘。元金は保証され、月1・5%程度の配当が出るとアピールしていた。
20年に配当の支払いが滞ったため、出資者らが返金を請求。追及を受けたCYCは元金を保管しているとする証明書を偽造するなどし、事業自体が架空だったことを認めたという。
原告側は訴訟で、それぞれの出資金で返金されていない130万~1300万円が損害に当たると主張していく。
提訴後、原告の松田直子さん(44)=大阪市=は「カジノのVIPルームを案内されて信じ込んでしまった」と話した。代理人の亀井正貴弁護士は「有名ホテルのカジノという信用につけ込み、極めて悪質だ」と強調した。原告側は2人を大阪府警に刑事告訴する方針。【木島諒子】
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