沖縄県内で相次いだ米兵による女性暴行事件を受け、エマニュエル米駐日大使と在沖米四軍調整官のロジャー・ターナー中将は12日、共同で見解を発表した。全文は以下の通り。
米軍兵士が容疑者となった事件を受け、この数週間は非常に難しいものとなりました。日米同盟の運用にあたる全員にとってです。日本の司法により、この容疑が事実と判断されれば、われわれは自らの期待と価値観を満たせなかったことになります。沖縄県民の皆さんにとってもつらい時となったことを、われわれは認識しなければなりません。
これら複数の事件について、沖縄県民の皆さまに深い遺憾の意をここに表明いたします。日本の客人として、そして両国が共有する平和と安全を保証する者として、われわれには改善が可能であり、そうしなければなりません。そして何よりも大切なのは、実行していくことです。日本は米国の同盟国です。日本国民はわれわれの友人であり、基地を受け入れてくださる存在です。
現在の予防策と手続きが、われわれが自らに設定した基準を満たしていないのは明らかです。日本が法的プロセスを進める中で、われわれは地域の法執行の取り組みへの支援を続けています。その一方でわれわれは、この機会をとらえ、米国民そして同盟国として、核となる価値観をよりよく体現する方策を再考しています。われわれは、基地を受け入れて下さる地域との間にある信頼と友情の絆を深めていかなければなりません。
だからこそわれわれは、沖縄に駐留する米軍兵士の訓練と教育を改善するため、3分野で具体的な対策を講じています。
まずは教育です。在沖縄米軍基地の上官は、核となる価値観、期待される行動、そして基地外行動を規制する「リバティー制度」を強化するため、兵士一人一人に直接指導をしています。
次に監視です。沖縄で軍施設から外出する運転手の飲酒チェックを既に強化し、軍の法執行機関職員によるパトロールを増やし、拡大しています。
そして、ルールの一元化です。所属部隊に関係なく全兵士が同じ行動規範ルールを順守するように、統一されたリバティー制度を軍の全部隊に導入していきます。
われわれは、駐留地がどこであろうとも全米軍兵士に期待される、そして基地受け入れ地域が期待する高い水準を満たすため、さらなる改善に向け常に全力を尽くしています。しかし、われわれもまた、内部そして沖縄県民とのコミュニケーションの取り方を改善していかなければなりません。県民の方々がわれわれや県内の自治体首長、そして中央政府に期待しているのは、透明性と誠実さなのです。
米軍兵士は何十年にもわたり、日本の仲間と訓練を行い、日本の地域社会の皆さまと共に生きてきました。これまでに、沖縄、佐世保、横須賀、三沢をはじめとした各地の住民の皆さまは、いつも温かい心で迎えてくださいました。この思いやりへの感謝を忘れたことはありません。
沖縄に駐留する米軍兵士は、自らの時間を使って、語学交流、海岸清掃活動、スポーツ大会、基地ツアーなどを行い、地元住民との絆を築き、生涯にわたり続くような関係を作り上げています。しかし、昨今の事件は、このような地域の取り組みを台無しにしてしまいました。だからこそわれわれは、沖縄の皆さまがわれわれに示してくださった信頼と善意の気持ちに、安易な言葉ではなく、具体的行動をもって応えなければならないのです。
在日米軍は自衛隊と共に、インド太平洋全体に安全と抑止力を提供する役割を担います。われわれを受け入れてくださる地域との関係も、それと同じぐらい極めて重要なのです。
日米両国、そして両国民は長い年月を重ね、深い友情を育んできました。その途中には、難しい局面もありました。ただ、関係性とは意見の隔たりがないことによって測られるものではありません。困難を克服する。双方が納得できる方策を見いだす。もっと強固で柔軟になる。そのような能力によって測られるものです。われわれは、これまでそうしてきたのです。そして、これからもそうしていきます。
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