12日未明に松山市の中心地の山で発生した土砂崩れ。現場の映像などを見た専門家には、今回の災害はどう映ったのか。
愛媛大の防災情報研究センター長を務めるバンダリ・ネトラ・プラカシュ教授(地盤工学)は、現地の地質についてこう説明する。
「砂岩やれき岩といった比較的水を吸収しやすい土壌です」
土砂崩れは、見た目の状況から山の上層部で起きた可能性があるという。
土砂が崩れた部分は、尾根からの谷間のような形状になっている。このため、ネトラ教授は「雨水が上からだけでなく尾根側の横からも集まってくるような谷地形だった」という見方を示した。
さらに、一般的な山にある沢や渓流など水が逃れる場所がなかったことも影響したと分析する。
市によると、城山公園は「松山城跡」として国史跡に指定されているため、文化財保護法上、土砂崩れの対策を取るのが難しい。対策に必要な構造物を設置するには文化庁の許可が必要となる。
ネトラ教授は「流水管理がきちんとできていなかった可能性が高い。人工的な水路などがあれば防げていたかもしれない」と指摘した。【鶴見泰寿】
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