群馬県太田市大島町の太田記念病院で、医師や職員の給料の一部が未払いになっていることが19日、判明した。時間外手当の算定が間違っていたのが原因。10年以上前から続いていた可能性があり、対象者は未払いを請求できる過去3年間だけで退職者を含めて1169人、総額約2億8587万円に上るという。病院側は「誠意を持って対応したい」と話している。
病院によると、今年3月に医師から「1時間当たりの時間外手当が異なるのでは」と指摘があり発覚した。時間外手当は基礎賃金をベースに支払われるが、この基礎賃金に含まれるべき各種手当を入れずに計算していたという。2012年に現在地に移転し、名称変更する前の総合太田病院時代から行われていたとみられる。
労働基準法は未払い賃金の請求期間を2年から5年に延長したが、当面は3年と規定している。病院では過去3年までさかのぼり、対象職員らに個別に説明を始めた。労働基準監督署とも相談しながら、早ければ8月にも未払い分を支払う準備を進めている。病院事業部の担当者は「地域を担う医療機関として重大な問題。外部の専門家を交えてチェック体制を整え、再発防止に取り組みたい」と話した。
太田記念病院は1938年に中島飛行機太田製作所付属太田病院として開院。名称変更を経て、現在の開設者はSUBARU健康保険組合。25の診療科があり、重症者を診る3次救急医療機関でもある。【湯浅聖一】
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