兵庫県警は22日、同県赤穂市の赤穂市民病院で2020年に腰椎の手術で女性患者(79)の神経を誤って切断したとして、執刀した40代の男性医師=退職=ら2人を業務上過失傷害の疑いで書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。女性は手術で下半身に重いまひが残るなどの障害を負った。

ほかに書類送検したのは手術助手だった脳神経外科長の男性医師。

執刀医は19年7月に同病院の脳神経外科医に採用され、同9月から約半年間に関わった手術で医療事故が8件あったと21年に判明。このうち院内調査や外部有識者の検証で医療過誤と認定された女性が昨年、刑事告訴した。医師は21年8月に依願退職し、別の病院に移った。

捜査関係者によると書類送検容疑は20年1月22日、女性の腰椎をドリルで削る手術の際に注意を怠り、近接する脊髄神経を切断し重度の後遺障害を負わせた疑い。

止血措置が足りず、出血で手術部位が見えづらい状態でドリルを操作し、硬膜を損傷した。露出した神経も巻き込んだという。

県警は今年5月、別患者の手術でも誤って頸髄を損傷したなどとして、執刀医と科長を同容疑で書類送検していた。

赤穂市民病院は取材に「事実確認できていないため、回答は差し控える」とコメントした。〔共同〕

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