能登半島地震の影響で倒れた墓石の修復作業(7月、石川県穴水町)=共同

石川県穴水町は3日、能登半島地震で倒壊した墓石の修復費用の半額を補助する方針を明らかにした。2024年度の補正予算案に関連費用8千万円を計上した。町によると、墓石復旧費を自治体が住民に助成する制度は全国的にも珍しい。

穴水町では多くの墓が倒れたり損壊したりする被害が生じた。1世帯当たり最大10万円を補助する。約800件の利用を見込んでいる。宗教や宗派は問わない。

町によると、地震の墓石被害を巡っては、2018年の北海道地震で被災した自治体が見舞金を支給したケースはあるが、補助制度の創設は異例だという。吉村光輝町長は3日の町議会で「被災者の負担軽減と、先祖供養の手助けをしたい」と強調した。

修復に当たる石材業者が限られ、年度内に作業が終わらない恐れがあるため、町は来年度も継続する方向で検討している。担当者は「宗教施設への支援ではないので、政教分離の原則には反しない」と説明している。

これとは別に、石川県は復興基金を活用し、被災した集落で管理する共同墓地の通路などの復旧費を補助する制度を設ける。16年の熊本地震でも同様の制度があった。〔共同〕

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