環境省は6日、沖縄県石垣島と西表島の間に広がる国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」で大規模な白化が進んでいると明らかにした。海水温の上昇が影響しているとみられ、9月も高い状況が続けば8~9割が白化状態になる恐れがあるという。
同日、石垣市で開いた第34回石西礁湖自然再生協議会で、8月13~30日に実施したモニタリング調査の結果速報を報告した。調査31地点のうち、石西礁湖内側の地点で白化の度合いが高く、一部は死んでいる状態が確認された。
また、深刻な白化が確認された2016年や22年で白化の影響が小さかった地点でも、ミドリイシを中心にほとんどのサンゴが白化している所もあった。
周辺の海水温は、例年より早く30度に達し、7月20日には16、22年より高い31・9度を記録。台風3号の影響で一時的に低下したものの、8月15日には31・6度に再び上昇するなど、高い日が続いているという。
県サンゴ礁保全推進協議会の中野義勝会長は「本島は台風10号の影響でまだいいが、海水温が高いままの石西礁湖の白化は深刻。16年、22年を超える最悪のシナリオが動いている」と指摘。近年、白化が起こる間隔が短く、サンゴが再生する時間がなくなっているといい「白化は山火事や熱中症などと並ぶ気象災害だ。国や県はそう捉えて対応すべきだ」と話した。(社会部・塩入雄一郎)
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