和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野崎幸助さん(当時77歳)を殺害したとして、殺人などの罪に問われている元妻、須藤早貴被告(28)の裁判員裁判の第5回公判が24日、和歌山地裁であった。当時の捜査にかかわった県警の警察官が証人として出廷し、野崎さん宅の多くの場所から微量の覚醒剤成分が検出されていたことを明らかにした。
起訴状によると、被告は2018年5月24日、野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させ、急性覚醒剤中毒で死亡させたとされる。被告は無罪を主張している。
検察側が提出した証拠や警察官の証言によると、同年5月26日と29日に行った家宅捜索と現場検証で、野崎さんが死亡していた2階寝室にあったシャツや1階台所のゴミ袋に入っていたキッチンペーパーに加え、野崎さんの歯ブラシやコップなどからも覚醒剤成分を検出。2階寝室の他、階段や1階の廊下などから採取した微細物からも覚醒剤成分を確認したという。
また、19年7月に実施した東京都内の被告宅の家宅捜索では、ハイヒールやジャケットからも覚醒剤反応があったという。【藤木俊治、安西李姫】
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