国土交通省の「不動産情報ライブラリ」の画面。9月に公表された基準地価の情報も地図上に表示できる=スクリーンショットより

 不動産取引に必要となるデータを一つの地図上に重ねて表示できる国土交通省のウェブサイト「不動産情報ライブラリ」が好評だ。9月17日に公表された基準地価のほか、不動産の取引価格、学区、ハザードマップなどの情報を見ることができ、4月1日の運用開始から半年で累積ページビュー(PV)は1000万を超えた。

 土地の価格、防災、周辺環境など複数のテーマを重ね合わせることで情報が「見える化」できるのが特徴だ。これまで国や自治体などが公表している不動産関連の公開情報には、同時に表示したり位置関係を把握したりできるシステムがなかったという。

 国交省によると、住まいの購入や売却を検討している人が参考にする情報としてニーズが高いものを集約。調べたい場所を地図上で検索し、タブにある情報をチェックすると、地図上に関連データが表示される。スマートフォンでも利用でき、PVの約3割がスマホによる閲覧となっている。

 また、サイトに掲載されている情報は民間事業者らに無償公開しており、システム連携による新たなサービスの基盤づくりに生かしたい考えだ。すでに不動産ポータルサイトなどで活用されているという。

 地図に表示できるデータは、価格(地価、不動産取引価格)▽地形(陰影起伏図、大規模盛土造成地マップなど)▽防災(洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域など)▽周辺施設(学校区、医療機関など)▽都市計画(都市計画区域、用途地域など)▽人口など(将来推計人口、駅別乗降客数など)――の30項目超に上る。

 国交省の担当者は「想定以上の反響。利用者のニーズを把握し、掲載データの追加を検討していく」と話している。【佐久間一輝】

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