JR東海はこのほど、東京都品川区の大井車両基地で、東海道・山陽新幹線の点検用車両「ドクターイエロー」の車内を報道陣に公開した。2001年から使用していたが、老朽化のため来年1月で走行を終える。
黄色い車体が特徴で、目撃すると幸せになれるとファンの人気を集めた「新幹線のお医者さん」の引退に同社の担当者からも惜しむ声が上がった。
ドクターイエローは7両編成。うち1号車では新幹線が走るための電気が通る架線に異常がないかどうかを、屋根から発射したレーザー光の動きを計測して調べていると社員が説明した。
3、5号車には屋根から突き出した「観測ドーム」があり、専用の座席も設置。架線などの状況を直接確認できる。4号車では走行しながらレールのゆがみの有無を点検。安全性に加え、快適な乗り心地の維持につなげている。
4号車の説明をした同社の担当者は、引退について「時代の転換期に携われるのは光栄だ。ずっとがんばってくれてありがとうという気持ちと、寂しい気持ちの両方がある」と話した。
ドクターイエローの正式名称は「新幹線電気軌道総合試験車」。JR東海とJR西日本が1編成ずつを所有しており、10日に1回程度、交互に東京―博多間を走行している。JR西も27年以降をめどに引退させる予定だ。後継車両は造らず、東海道新幹線の最新車両「N700S」に搭載する検査機器が今後の点検を担うようになる。〔共同〕
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