化粧品大手のコーセー(東京)が1日までに、養殖サンゴの大量産卵の動画撮影に成功したと発表した。「気候変動や生態系の異変に関心を高めたい」としている。

 同社は2009年から化粧品の売り上げの一部を沖縄のサンゴ植林活動に寄付。読谷村でサンゴを養殖する「海の種」(金城浩二代表)の協力を得て、これまで2万211本を植え付けた。

 今回産卵を撮影したのは、長年養殖するサンゴから高温耐性に優れた株を集め育成してきた「ミラクルコーラル」。異常に高い海水温の中でも白化せずに生き残った。

 海の種のチームが、機材提供などでコーセーの協力を得て、5月末に読谷村地先で「ウスエダミドリイシ」の数百の株が一斉に産卵する様子を撮影した。

 海の種によると、これほど大量の産卵を撮影したのは珍しい。金城代表は「人の力でこれだけのサンゴを再生できることを証明する記録になった」と話した。(社会部・塩入雄一郎)

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