座席を外して設けた専用スペースに荷物を置く旅行者=北海道登別市内で2024年10月1日、平山公崇撮影

 大きな荷物を持ってバスに乗る外国人観光客の混雑緩和を目指し、北海道登別市で1日、路線バス運行会社などが荷物専用スペースを設けた特別車両を使って2カ月間の実証実験を始めた。

 JR登別駅と登別温泉をつなぐ路線は、多くの外国人観光客に利用されている。特に中華圏の旧正月「春節」の時期はスーツケースなどが車内のスペースを埋めるため定員(70人)の半分ほどしか乗車できず、バスに乗れなかった観光客や地元客が駅に滞留する事態が起きている。

 今回、道南バス(室蘭市)は新たに定員90人の大型車両を2台導入。一部の座席を外して荷物専用スペースを設け、1日の便数を8便から20便に拡大して緩和を図る。

 登別市と国土交通省室蘭運輸支局、道南バスで構成する登別洞爺広域観光圏協議会が約980万円を補助してバスの改造やクレジットカードのタッチ決済端末の導入、駅に隣接する市の施設への荷物の預かり所設置などを行い、運賃払いの効率化や持ち込む荷物の削減を目指す。

 この日は、午後0時20分発のバスにJR登別駅前の停留所から約20人の外国人旅行者らが乗り込み、専用スペースに荷物を置いていた。同協議会の渡部光夫事務局長は「この2カ月でどれだけ効率化して運行できるか見極めたい」と話した。【平山公崇】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。