無罪判決を受けた袴田巖さんの姉・ひで子さんと袴田さんを支援してきた国会議員らが10月2日に法務省を訪れ、牧原法相宛てに検察に控訴をさせないよう申し入れ書を提出しました。

58年前、当時の静岡県清水市(現在の静岡市清水区)で一家4人を殺害したなどとして死刑判決を受けた袴田巖さんのやり直しの裁判は、9月26日に静岡地裁が無罪判決を言い渡しました。

検察の控訴期限が10月10日に迫る中、袴田さんの姉・ひで子さんと弁護団、そしてこれまで袴田さんを支援してきた超党派の議員連盟のメンバーらが法務省を訪れ、仮に検察が控訴をした場合、法務大臣が持つ指揮権で取り下げさせるよう、牧原秀樹 法相宛てに申し入れ書を提出しました。

「メンツの問題で控訴すれば国民から批判」

このあと議員連盟の集会が開かれ、判決後、袴田さんが無罪判決の喜びを語った時の映像が流されると、 ひで子さんは「獄中で無罪を待ちわびていたと思う」と思いを語りました。

袴田ひで子さん:
長い間 「こう言おう。ああ言おう。無罪になった時にはああ言おう」と思って巖は闘ってきた。それが実り無罪判決をもらった。本当にうれしい

集会では2014年に静岡地裁で袴田さんの裁判のやり直しと釈放を認めた村山浩昭 元裁判官も参加し、「組織の信頼が失われるというメンツの問題で控訴するのであれば検察は国民全体から批判される」と訴えました。

この裁判をめぐっては10日までに検察が控訴しなければ袴田さんの無罪が確定します。

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