テレビ東京が入るビル=東京都港区で、曽根田和久撮影

 テレビ東京は3日、旧ジャニーズ事務所(現「SMILE―UP.」=スマイルアップ)の創業者・故ジャニー喜多川氏による性加害問題を巡り、マネジメント業務を引き継いだ「STARTO ENTERTAINMENT(スタートエンターテイメント)」のタレントの番組への新規起用を再開する方針を明らかにした。同日の定例記者会見で石川一郎社長が「被害者補償や経営分離に進展があり、我々としては評価できる。(今後の)起用は現場の判断に任せる」と述べた。

 性加害の事実を旧事務所が認めて謝罪した昨年9月以降、NHKと在京民放キー局5局のうち、NHKとテレ東のみが所属タレントの新規起用を取りやめていた。

 スマイル社は先月30日、同社が昨年9月に設置した「被害者救済委員会」が1年間の活動状況をまとめた報告書を発表。999人が被害を申告し、うち504人と補償内容で合意したと説明した。テレ東の石川社長は会見で、ファンクラブ事業が新しく設立された会社に今月継承されたことや、スマイル社の藤島ジュリー景子代表取締役が8月までに関連会社4社の会長職を全て退任したことなどを踏まえ、「再三求めてきたガバナンスの確立と経営分離が進んだ」との見解を示した。その上で「今後も改善は求めていく」と語った。【井上知大】

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