奈良県内の中高生が企業と協力し、地域の強みを生かした奈良の活性化プランを考えるプログラム「大和みらいエンジン」が、奈良女子高校(奈良市)で始まった。このほど、吉野本葛の製造・販売を手掛ける井上天極堂(御所市)と、手延べそうめんの老舗、三輪山本(桜井市)が参加した最初の授業があった。
教材開発や教育支援事業を手掛ける、教育と探求社(東京・千代田)のプログラム「エンジン」を活用する。生徒たちはチームごとに企業の持つリソース(強み)や特色を探し出し、地域の魅力や課題と組み合わせたプランを提案する。これまで静岡県やさいたま市などで実施実績があるが、関西では初めてという。
奈良女子高では総合進学コースの3年生28人が参加している。1日にあった授業では、2社の担当者が会社の歴史や事業内容についてプレゼンテーションした後、生徒がチームに分かれて商品の特徴や販売の課題などを直接インタビュー。その後は生徒同士で意見交換しながら、思い思いに強みを紙に書きだしていった。
井上天極堂や吉野本葛の強みについて考えたチームの一つは「いろんな味になれる」「日本に7軒しかない」など様々なアイデアの種を抽出。生徒からは「古い歴史があることに驚いた」「食べるだけでなく、肌に塗るといった様々な使い方ができることを知った」などの意見が聞かれた。
プログラムでは今後、地域の魅力や課題についての探求にも取り組む。今回の授業で見つけた企業の強みと組み合わせたプランを練ったうえで、11月下旬に提案の最終発表会を開く予定だ。三輪山本の山本太常務は「若い人の感性で、自分たちの思いつかない価値を提案してもらえれば。最終提案が楽しみ」と期待した。
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