最大震度7の能登半島地震に見舞われた石川県輪島市で7日、横倒しになった7階建てビルの公費解体が始まった。観光名所・輪島朝市に近い市街地で、被災の象徴となっていた。解体は年度内に完了する見込みで、市民らは復興の進展を期待する。
ビルは、同市河井町の輪島塗製造・販売会社「五島屋」社屋で、基礎部分から横倒しになった。隣接する居酒屋兼住宅が下敷きになり、店主(56)の妻(当時48歳)と長女(同19歳)の2人が犠牲になった。
解体は、倒壊を免れた隣接する別棟(3階建て)から始め、その後、ビル本体の上層部から順に解体する計画。この日は、別棟の内装の解体に着手し、作業員数人が荷物や廃棄物などを撤去した。
倒れたビルは、上階が市道を覆うようにはみ出し、車両や歩行者の通行の支障になっており、早期の解体・撤去を求める声が上がっていた。近くに住む男性は「雨が降るたび少しずつ建物が下がってきていて危なかった。早くきれいにしてもらい、気持ちに区切りをつけたい」と話した。
倒壊原因については、建物の基礎や地盤の状態が影響している可能性もあるため現在、国が詳しく調べている。【阿部弘賢】
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