袴田巖さんの無罪判決を受け「判決を承服できないが控訴を断念する」と発表した検事総長の談話について弁護団は「無罪になった袴田さんを犯人視している」と批判しました。
9月26日のやり直しの裁判で無罪判決が言い渡された袴田巖さん。
検察が10月9日、控訴する権利を放棄したことで袴田さんの無罪が確定しました。
畝本直美 検事総長は「判決は到底承服できないが控訴を断念する」と談話を発表していましたが、この談話について弁護団は「袴田さんを犯人視している」「誤りを改め捜査などを検証すべき」と反発し、10日、地検に声明文を提出しました。
弁護団・小川秀世 事務局長:
検事総長の談話の中では、袴田さんを犯人扱いしている。検事総長がそういうことを談話で発表したことは重大な問題
また、検事総長が「申し訳なく思っております」と謝罪の姿勢を示した部分について、他人事のような表現で反省すらなく、謝罪になっていないと指摘しました。
弁護団・角替清美 弁護士:
まずは検事総長自ら談話を訂正してもらって、しっかりと袴田さんに謝罪をしてもらいたい。そうしないと誰も納得しない
その上で、弁護団は重大なえん罪を生み出し58年もの年月を要した原因を明らかにするため、捜査や公判手続きを全般にわたって厳正かつ真摯に検証をすべきと主張しています。
また、無罪確定を受け警察庁の露木康浩 長官は「重く受け止めている」と答えました。
警察庁・露木康浩 長官:
警察庁としても重く受け止めているところ。今後、教訓とする事項があれば、しっかりこれを受け止めて、より一層緻密かつ適正な捜査に取り組んでいきたい
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