大阪府警本部=藤田剛撮影

 「敵対勢力に狙われている」などと言って女性2人を怖がらせて監禁したなどとして、大阪府警は17日、住居不定の無職、白石光弘容疑者(22)を監禁などの疑いで逮捕・送検したと明らかにした。「2人を洗脳した。楽して生活するため、自分の欲しいものを全て得たいという欲求のためにやった」と容疑を認めているという。

 逮捕容疑は大阪府内の集合住宅で6月中旬、20代の無職女性と会社員の女性をそれぞれ数日間監禁。別の時期には「敵対勢力に2人とも狙われている。銃が必要だ」などとメールなどを送り、銃の購入費名目で5万2000円分の電子マネーを2人から詐取したなどとしている。

 府警捜査1課によると、容疑者は6月までの半年間に実在しない容疑者の親族を装い、SNS(ネット交流サービス)のメッセージを2人に約2万6000件送っていた。「家族も危害を加えられる」といった内容で心配させ、集合住宅にとどまるようにしていたとみられる。敵対勢力を名乗ってメールも約1700通送っていた。

 無職女性には「敵対勢力から逃げるには4人乗りのスポーツカーが必要」などと言い、普通乗用車2台を約220万円で購入させていた疑いもある。

 容疑者が購入した銃がおもちゃであることに気付いた女性会社員が、オンラインゲーム上の知り合いに助けを求めた。この知人が別の人物を介して府警に相談。集合住宅に在室していた容疑者を現行犯逮捕した。

 容疑者は敵対勢力とは具体的に何なのか、明らかにしていないという。【斉藤朋恵】

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