1966年の静岡県一家4人殺害事件で再審無罪となった袴田巌さん(88)に、衆院選の投票所入場券が届いたことが17日までに、関係者への取材で分かった。

関係者によると、投票所入場券は16日夕に、同居する姉、ひで子さん(91)の分も含めて届いた。支援者が撮影した映像で、ひで子さんは2枚の投票所入場券を両手に持ち、「これで選挙権が復活しました。ありがとうございます」と話した。

主任弁護人の小川秀世氏によると、静岡地検が上訴権(控訴する権利)を放棄した9日までに、袴田さんが住む浜松市の選挙管理委員会に対し、選挙権回復の手続きをするよう求めていた。

選挙権の回復は1980年の死刑確定から44年ぶり。ひで子さんは14日、静岡市で開かれた集会で「(投票用紙に間違って)『袴田巌』と書いても、選挙の雰囲気を知ってもらいたい」と述べ、袴田さんを投票所に連れて行く考えを示していた。〔共同〕

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