日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞決定を受けて、広島県内の被爆者7団体は17日、広島市役所で記者会見を開き、「被爆80年に向けて決意新たに、命ある限り、訴え続けていく」などとする声明を発表した。7団体の一つ、広島県被団協の箕牧(みまき)智之(としゆき)理事長(82)=日本被団協代表委員=は会見で「受賞決定はゴールではなくスタートだ。生きている間、核廃絶を訴えていきたい」と話した。
声明では、2017年に国連で採択された核兵器禁止条約に核保有国だけでなく、「唯一の戦争被爆国」である日本が参加していないことを批判。石破茂首相が米国の核兵器を共同運用する「核共有」に言及していることにも触れ、「日本が平和外交力を強め、条約に参加し、核保有国を誘導する役割を果たさなければ、国際的な栄誉と期待を裏切ることになる」とした。
会見では、もう一つの広島県被団協の佐久間邦彦理事長(79)が、「黒い雨」を浴びた人や在外被爆者の救済を求めたこれまでの裁判を挙げて「被爆者運動は権利運動の歴史でもある。授賞理由にそこも言及してほしかった」と語った。
被爆者7団体は、核禁条約の批准を日本政府に求める署名活動などに加えて、毎年8月6日の「原爆の日」には、首相に面会して条約の批准を要請している。【安徳祐】
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