11月2日午後5時20分ごろ、北海道東部、標津町の道道で、走行中の乗用車がヒグマに襲われた。運転手にケガはないが、車体がへこみ、爪で穴も数カ所あけられた。車を敵と認識した恐れもあり、関係機関は警戒を強めている。
道路の前方に大型動物…シカと思ったら“体長1.5mのヒグマ”
「バーって急に出てきて、クマが突進してきてって感じですね」。車を運転していた男性は淡々と語る。
男性は仕事を終え、帰宅する途中だった。車内は1人。道道863号を山の中から市街地に向かって走っていたところ、対向車線に大型動物を発見した。
シカだと思い、徐行しながら近づくと体長1.5メートルとみられるヒグマだった。
「クマが突進してきた」運転席側を攻撃
「クマだったのでスピードを緩めたんですよね。そうしたらバーって急に出てきた。ブレーキを踏むとクマが突進してきた感じです」
クマは運転席側を執拗(しつよう)に攻撃してきた。体当たりされたうえ、車体を爪でひっかいたとみられる。
「だいぶ車は揺れたんです。あとでみると、爪が完全に刺さっててもうダメになった感じですね。車のフレームを貫通しちゃった」
クマはすぐに逃げ去ったが、車体の右側がへこみ、ヘッドライトが壊れたほか、穴が数カ所空いた。
男性はアクセルを思い切り踏み、車を急発進させ、なんとか現場を離脱。あとで確認したところ、車体の右側がへこみ、ヘッドライトが壊れたほか、穴が数カ所あいた。
10日前に車と衝突し手負い?「車に敵対心持った可能性も」
関係者によると、標津町は今後箱わなを設置し、捕獲する方針だ。
牛66頭を殺傷したヒグマ「OSO18」の特別対策班を指揮した「南知床・ヒグマ情報センター」の藤本靖さんは「同じ場所で10日前に車とぶつかったクマがいるという情報がある。手負いとなり、車に敵対心で向かってきた可能性もゼロではない」と注意をうながしている。
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