阿部俊子文部科学相は8日、政府が創設した10兆円規模の大学ファンドで支援する「国際卓越研究大」について、東北大を認定したと発表した。論文数など研究実績やガバナンス体制が基準に達したことを確認した。今後、文科相が体制強化計画を認可すれば正式に支援第1号となり、2024年度中に助成が始まる。
国際卓越研究大学法に基づく認定基準には①引用数上位10%の論文が直近5年で1000本以上②効果的な資源の配分が行える運営体制――などがある。
東北大は①は3000本以上、②は大学運営の重要事項を議決する合議体「運営方針会議」を設置したことなどで基準をクリアした。
東北大は今後、大学発のスタートアップを8倍超の1500社にし、約86億円規模の研究資金の受け入れ額を約959億円にすることなどを盛り込んだ体制強化計画を同省に提出する。文科相の認可を経て、24年度中に100億円程度が助成される見込みだ。
2度目の公募は同計画の認可後の同年度内に始まる見通し。既に東京大や東京科学大などが申請する意向を示しており、最終的に数校が選ばれる。
大学ファンドは資産を株式や債券で運用し、利益を支援対象である複数の卓越大に最長で25年にわたり分配する制度だ。支援額の上限は合計で年3000億円を目指す。
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